昨年10月にシアトルのCCIMグローバルカンファレンスに行った際のパネルディスカッションで日本の1%台の低金利が話題になりました。アメリカでは事業用不動産の金利がこの4年くらいでほぼ倍になり7%程度だそうですから、不動産の利回りよりも高いわけですから逆レバとなり、ブローカーの方たちは今はそれほど忙しくないというような話もしていました。CCIM(米国不動産投資顧問資格)の受講をした際に、金利と内部収益率の比較をして、レバレッジ効果が税引前後でどうなるのか?散々比較をした記憶がありますが、このような金融環境であれば理解もできます。また、私が最も驚いたというか、再確認できたのは、そもそも日本がこれほど低金利だということをほとんどのアメリカのブローカーの方たちが知らなかったということです。つまり人口も減少していて経済もいまいちの日本の不動産には興味がないということでしょう。もちろんグローバルに展開する投資ファンドは別ですが。
ところで日本で事業用不動産を扱っていると、今後の金利上昇で不動産価格が下がるという議論があります。これは単に借り入れをする際の金利が上がるからキャッシュフローが減り不動産価格が下落するという単純なものではありません。事業用不動産の収益価格はお決まりの以下のような式で算定するわけですが、物件価格は賃料収入を利回りで割ることで求められます。